「訴えてやる!」の意味を考える 刑事事件の場合

「訴えてやる!」には、民事と刑事があります。

民事では、人、会社(法人)などの私人の間で、権利関係に関する紛争がある場合に、裁判所に訴えを起こします。手続については、民事訴訟法が規定しています。
刑事では、訴えを起こすのは警察か検察。そして、検察官が事務を行い、裁判が行われます。手続については、刑事訴訟法が規定しています。

民事事件は、私人である当事者同士だけの話になりますが、刑事事件は公益が大いに関係するようですね。

検察官は、公益の代表者として法令に定められた事務を行うとのこと(刑事訴訟法第247条)。
「公」となると、話はかなり複雑になりそうです。小さな事件に見えていたが、公共の利益に関係していると捜査の中でわかったら、個々の利益よりも公共の利益のほうが優先される可能性も高そうです。

 

 

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○刑事事件のパターン

刑事事件の捜査のきっかけは、現行犯逮捕や通報、自主などのほかに、以下の3つがあります。

1 告訴 犯罪の被害者などが警察に対し、犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示をする

※告訴できるのは、犯罪の被害者や法定代理人、被害者が死亡したときにおける配偶者など、刑事訴訟法に定められた人だけに限られる

※被害者が告訴状を提出しても、警察は必ず受理するとは限らない
2 告発 第三者が警察に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示をする
3 被害届 犯罪の被害者が捜査機関に対し、被害に遭った旨を申告することで、加害者への処罰意思は含まれない

○捜査

検察の捜査が始まるのは、以下の4パターンに大別されます。
1 警察からの事件送致  警察から「刑事事件なので、起訴するかどうか判断してください」と検察に送られてくる
2 直受  警察を経由せずに、検察官が直接、告訴・告発・自首・請求を受ける
3 認知     検察官が自ら犯罪を探知して捜査に着手する
4 再起  不起訴処分や中止処分にした事件を、再び捜査する

事件の捜査では、警察官が中心となって、犯罪に関係する証拠などを集めます。検察官が捜査することもありますが、かなりレアケース。

検察官が捜査権を行使する検事を描いたドラマが、木村拓哉さん主演の「HERO(ヒーロー)」ですね。検察官というと、自分は「HERO」のイメージが強いのですが、これはあくまで架空の設定。

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https://www.fujitv.co.jp/b_hp/hero_r/

検察官が捜査するのは、特殊な刑事事件、政界や有名企業での汚職などに限定されているようです。

起訴するかどうかの決定は、検察官が行います。

○不起訴

以下の4つケースがあります。
1 訴訟条件を欠く場合   被疑者が死亡したとき、親告罪について告訴が取り消されたとき
2 被疑事件が罪とならない場合  被疑者が犯罪時14歳に満たないとき、被疑者が犯罪時心神喪失であったときなど
3 犯罪の嫌疑がない場合  被疑者が人違いであることが明白になったとき、被疑者がその行為者であるかどうかや被疑者の行為が犯罪に当たるかどうかで認定すべき証拠がないことが明白になったとき、これらを認定すべき証拠が不十分なとき
4 起訴猶予  被疑事実が明白な場合に被疑者の性格・年齢・境遇・犯罪の軽重・情状・犯罪後の状況で訴追を必要としないとき

○起訴

起訴された被疑者は「被告人」となります、以下のうち、いずれかの請求が行われます。
1 公判請求 事件を裁判所に起訴する(起訴してから初公判が開かれるまで1カ月程度かかる)
2 略式命令請求 書類審査で刑(罰金・科料のみ)が言い渡される
3 即決裁判請求 申立てがあった日から2週間以内に初公判が開かれる(現在は行われていないとのこと)

○裁判

検察官は裁判所に証拠を提出したり、証人尋問などを行ったりして、被告人が犯罪を行ったことなどを証明します(証拠調べ)。
証拠調べの後で、求刑を含む論告を行います。
裁判確定後は、懲役刑や罰金刑などが正当に執行されるように執行機関に対して指揮などをするとのこと。

検察官については、以下のように説明されていました。
検事総長次長検事検事長,検事及び副検事に区分されます。このうち,検事総長次長検事及び検事長は,内閣が任免し,天皇が認証することとなっています。

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おそらく、一般市民の私たちが検事総長次長検事検事長接触する機会はないでしょう。